学会関連記事

学会、提言作りに動く

文化資産活用探る
理工系の会員拡大がカギ

日本経済新聞 2001年7月24日(朝刊)16面 ベンチャー2001KANSAI特集 


 「ベンチャーに関心を持つ人たちの意見と情報交換の場にしたい」。2月に旗揚げした関西ベンチャー学会(大阪市)の会長、塩沢由典 ・大阪市立大学教授は学会の役割をこう表現する。338人(7月4日時点)の会員が9つの研究部会に分かれて活動している。

 6月27日夕方、JR京都駅近くのビルで、神社仏閣の文化資産を生かした新事業の研究している「文化資産研究部会」が2回目の会合を開いた。この日は壁画や美術品の画像をデジタルデータとして保存し、着物のデザインや土産用商品の企画への活用法などを議論した。

 同部会の主査で、奈良先端科学技術大学院大学の今田哲教授は「関西ベンチャー学会の豊富な文化資産を生かさない手はない」と力説する。京都や奈良の観光を体験できる仮想現実空間(VR)施設や車椅子でも乗り降り自由の観光タクシーなどアイデアは盛りだくさん。定例会を重ねて来春までに提言を取りまとめて発表する計画。

 「ビジネス交流会を開きます」「起業家塾の受講生を募集します」−−。関西ベンチャー学会ベンチャー学会のホームページ(http://www.kansai-venture.org)の掲示板は、関西で実施されているベンチャー関係の各種イベント情報を掲載する。7月12日時点の掲載数は69件に達し、事務局では「ベンチャーのイベントが関西でこれほどあるとは思わなかった」(小林裕明事務局長)と驚く。

 ベンチャー関連のイベントを主催する団体や企業は規模が小さく、情報を広く告知することは難しかった。塩沢会長は「単なる情報告知にとどまらず、団体や企業同士が交流するきっかけになれば」と期待する。

 関西は首都圏についで理工系の有力大学が集積しており、最先端の研究に取り組む研究者も多いが、現状では学会の会員は経済・経営学などの文科系が多数を占める。ベンチャーの輩出を通じて関西経済の活性化に貢献するには、理工系の研究者や技術者をより多く学会に呼び込み、産学連携による新事業創出を目指す必要がありそうだ。

 

もどる

トップ・ページ   学会関連記事   ページ・トップ