CB・NPO部会

第12回 CB・NPO研究部会例会概要

開催要領

とき・ところ

日時:2002年7月1日 18:30〜20:00
場所:大阪産業創造館17F B室

内容

講師 :関西ベンチャー学会会員・公認会計士鈴木邦明氏

主題 : 「地域活性化のためのインキュベーション機能」

産学協同から次世代担うホンモノの起業が盛んになるべきだ。

“地域資源をインキュベータ機能へ転換”できないかの問題提起。


 鈴木邦明さんは、関西のベンチャー企業からの資金相談などに専門家の立場で支援をし、創業講座の講師などにも迎えられ活躍しておられる。自分の時間の1/4は、社会とコンタクトを取るべきだとして、一流企業から高給もものともせず独立し、社会貢献と自分のビジネスとを両立されている。誠に不言実行の志の人である。

 日頃の経験を基盤に、日本の起業が国や行政の上からの政策でなく、民間から内発的に隆盛となることを目標にした論を展開された。

   7月20日、21日に奈良県立大学で開催される予定の「21世紀の地域創造をさぐる」という全国ネットワーク研究交流会で報告される準備として、奈良を地域モデルとして次のような論旨を話された。

 産業の地域化について、現在、議論が盛んである。資源・資質をいかに地域産業の創造に結び付けていくかが重要であるとの考えで、まず、地域資源の認識の方法から問題解決は始まる。そして、どちらかというと、産学連携型企業育成のイメージで問題追及はなされた。

 鈴木講師は、“地域資源をインキュベータ機能へ転換”できないかということで、(1)マーケットの存在、(2)資金の提供者、(3)開発環境、(4)情報インフラ、(5)インキュベータ施設などについて対策の提案が示された。そして企業、大学、研究所等の既存組織の再活用による集積が望ましいとされた。特に、“大学の意識が変わると途方もない潜在力がある”と大学の変革に期待を寄せられた。参加の大学教授から質問が出され、また別の大学関係者から反論が起こった。どうすれば大学が変革できるのか議論となり、地域のインキュベータ機能のありか方についても国、行政が上から統治を行うべきか、民間の自主性に待つかの選択について、研究会全体の見解は、分かれた。

 “東京多摩の45大学が産官学で地域活性化”、“三重県がシャープの液晶テレビ工場の誘致に補助金”など、10件に及ぶ日本各地での取組み事例が取り上げられ講師の主張の論拠となった。時間がなく、議論されなかったのが残念である。従来、モデルとされて来たアメリカのシリコンバレー方式の産業活性化論ではなく、地域という拠点に重点を置いた鈴木講師の提言には、身近な切実性を感じさせた。


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