関西ベンチャー学会>教材開発研究部会>第5回準備会合概要

第5回準備会・模様
準備会記録
参加者の感想 徳山 山名武史 岩見憲一
資料1.要旨「新大学院の目指すもの」
資料2.要旨「アントレプレナーシップ研究分野成功のために」
第5回準備会記録
大阪市大新大学院「アントレプレナーシップ研究分野」
の成功のために
日時:2002年5月24日午後6時から8時30分まで(9時まで延長)
場所:大阪市立大学文化交流センター・会議室
報告骨子
1.新大学院全体の構想について
2.アントレプレナーシップ研究分野の構想について
発表者 新大学院の予定教員 塩沢由典、冨田賢
討論:発表者・参加者の自由討論
参加者:約20名 (商業高校の教員、公的なベンチャー支援機構、商工会議所、証券系ベンチャーキャピタル、経営コンサルタントの方など)
1.塩沢由典報告
塩沢由典氏が、開設準備委員会での資料などをもとに、新大学院の目指すもの、従来の大学院や他の社会人大学院との違い、各専攻の内容、アントレプレナーシップ分野のカリキュラム、対象とする学生とその選考等について、約1時間発表。
2.冨田賢報告
冨田賢は20分間、レジュメ(添付ファイルとして添付)にそって、私のこれまでの経験、起業家教育の必要性、教育方針、中小企業とベンチャー企業の違いなどについて発表。(その他新聞記事を4枚配布。)
なお、今回の発表、討論の中では、アントレプレナーシップ研究分野参加予定教員の氏名は、塩沢・富田・明石の3人以外は非公表とした。また、科目名については、検討中のものとのコメントを付けた。
3.質問・コメント
参加者から出た質問、指摘、コメント(抜粋)
- 高校での起業家教育との位置付けの違い
- 学生はどのような人になるのか? 年齢、経験。
- 支援者を目指す人も入学可能か?
- (<=20名中5名くらいまでと塩沢先生から回答。)
- 入学させる学生の目利きが重要なのでは。
- 神戸大学や米国のMBAコースとの違いは?
- 日本ではベンチャーというものは少なく、個人企業が多いが、ベンチャー起業家を新大学院で本当に養成可能なのか?
- 夜間と土曜だけで、起業準備の学習が十分か?
- 新大学院で蓄積、構築した知識を、平易な言葉で社会に対して発信してほしい。
- 「情報基礎」の講義はどのような内容か?
- 「起業家」・「創業者」と「経営者」はどう違うのか?
- 大阪がダメになったのは、インテリジェンスを大切にしなかったからだ。
- 旧大阪商科大の役割を復活させてほしい。
- 失敗を許容する米国とそうでない日本の違いは何によるものか?
- (<=金融の慣行の違いについて解説。)
- 京大の大学院のような学者養成の大学院とは違う価値観の大学院ができることは、日本の高校生にとって、目指す先が多様化することになり、望ましい。
※各質問について、塩沢先生と冨田で、回答。
4.記録作成者の感想
冨田が今回の会合での塩沢先生のお話及び討論を聞いて、特に印象に残ったことは、下記の3点。
(1)戦前の大阪商科大学は、大阪商人の後継者養成、関西経済のリーダーの輩出という役割を果たしていたが、戦後はサラリーマン養成学校になってしまった。再度、オピニオン・リーダー、チェンジ・リーダーを養成、輩出することが必要。
(2)単なるMBAコースではなく、「起業」という限定した目標を掲げたコースにする。何でもすべてやろうとせず、他の大学院との差別化をはかる。一般的な経営大学院としては神戸大学にまかせる。
(3)教員が個別に活動するだけでなく、チームワークを大切にする。
以上 (冨田賢作成)
参加者の感想
徳山(日本起業家教育協会)
金曜日は、討論の中に新大学院として新しい機軸を打ち立てられようとする熱意を感じました。専任教員も充実されておられるとのことで楽しみです。
私、個人的には、カリキュラムは問題ないと思います。あと出来ることといえば、対象とする社会人学生を集めるためのプレスリリースですが、これが要になるのではないでしょうか。これからのプレスリリース活動にご健闘を祈ります。
山名武史(経営コンサルタント)
新大学院の設立。“50年に一度の機会”と宣言された塩沢先生の“志”に満腔の賛意を表します。大阪人として、この期における大阪市大の雄叫びこそ、関西経済復権へのラストチャンスだと思います。山なす敵を斬り伏せて、先生、どうか頑張ってください。関西ベンチャー学会挙げて応援しなければなりません。
ロケーションも最高ですね。世の中の各種の規制はどんどん撤廃される方向にあります。新大学院は新機軸を繰り出し放題。21世紀のイノベーションリーダーの輩出が待たれます。私の大阪人生涯においてはじめて真の“大阪の誇り”が生まれそう。それもまさしく知価ソフト!わくわくしています。
岩見憲一(FOREXアドバイザー)
大学院で起業家のあるべき姿を基に起業家育成に取組まれることは大変素晴らしいことと思っています。
(財)大阪府研究開発型企業振興財団(現大阪産業振興機構フォレックス部)、(財)新産業創造研究機構で色々な企業家の方々に接し勉強させていただいておりますが私自身「ベンチャー」について明確なイメージを持てておりません。かって「ベンチャーを育てる最も良い方法は「ベンチャー起業家」が尊敬される社会をつくることであり、そのてめには社会の側も企業家の側も努力することが大切であるというお話を伺ったことがあります。
七転八起きという言葉がありますが、「一転びアウト」の怖さが付きまとうベンチャーに対して、たてまえや生意気をいう資格はありませんが、起業家の個性を大切にした上で、正しい事業感や社会観を持って頂くことが大切であると思っています。すなわち企業の社会的責任や仕事の意義・使命・目的を明確に持っていただくことです。
そうでなければ、社会はおろか、そこで働く従業員の意識の高揚も得られません。以前、塩沢先生が旧大阪商大は「商人」を育てたと壇上でお話されたことを覚えております。私なりに、商人とは、使命感に目覚めた人であり、正しい価値判断の出来る人と思っています。理念、信念を築くことの出来る人を期待します。
「職場は道場」との観点からは、過去の学問や経験にとらわれず、常に向上心をもって困難にチャレンジしその体験から学ぶことが大切で修羅場を乗り切る経験も極めて大切です。
しかし、一方で優れた知識を学ばなければ変化の激しい経営環境を乗り切ることは困難です。その意味で大学院は大変に重要な役割を負っていると思っています。「人間にはそれぞれ異なった使命、異なった才能がある」そして人間としての成功とは「自分に与えられた天分を十分に活かして生きること」であり、そのことにより「自分も満足し、周囲の人々も喜ばす」と言う松下幸之助さんの考えに賛同しています。
大変難しい作業ですが、是非起業家の天分を持った人を採用し育て社会に貢献されることを期待しています。
報告資料
新大学院の目指すもの
塩 沢 由 典
(新大学院開設準備委員会副委員長)
新大学院の意義
○市大にとって 50年に一度の機会
○大阪市&市民 大学に対する期待に応える
新大学院の概要
○ 学部をもたない社会人大学院
○ 梅田・駅前第2ビルで開講
○ 夜間あるいは土曜日
○ 40数名の専任教員
○ 学生数 修士課程 入学定員120名 目標160名
学生の典型像
○ 30代前半 指導的立場で社会への貢献を目指す人
○ これから社会の中核での活躍を期待されている人
○ 新ビジネスなどイノベーションを惹き起こせる人
新大学院の目標
1)イノベーション・リーダーの輩出を通して都市経済の発展に寄与する。
2)新しい学問形成のモデルを創出する。
3専攻
○ 第1専攻 都市ビジネス専攻
1特殊な課題を掲げたMBA
○ 第2専攻 都市政策専攻
経済・行政・社会の3分野の公共政策
○ 第3専攻 都市情報専攻
産業・文化発展のためのIT活用
第1専攻 都市ビジネス専攻
○ アントレプレナーシップ研究分野
ベンチャー起業家(第2創業を含む)
○ システム・ソリューション研究分野
ITを基礎に業務改革を先導する
○ アジアビジネス研究分野
日本とアジアをビシネスで繋ぐ
第2専攻 都市政策専攻
○ 都市経済政策研究分野
経済の活性化のオピニオン・リーダ
○ 都市公共政策研究分野
行政評価・行政改革の担い手
○ 都市共生社会研究分野
NPO・NGOの指導者・組織者
第3専攻 都市情報学専攻
○ 情報システム基盤研究分野
情報システムの総括責任者
○ 情報メディア環境研究分野
ITビジネスのマネジャー
新大学院の特色T(新旧対比)
○ 社会人でも⇒社会人のための
○ 知識提供型⇒問題解決・問題発見型
○ 個別商店⇒チームとして
○ 役に立つ筈⇒明確な達成目標
☆ 参照 各研究分野の目標
☆ 供給側の論理ではなく、要求に応えられるもの
新大学院の特色U(授業・学習)
○ 学生どうしの教育力を生かす
鋭い問題関心、関心の収斂
○ 現在・未来の課題に取り組む
ワークショップを中核におく
当該問題の第一人者の講演と討論
○ IT技術に関する基礎知識
スキルばかりでなく、技術動向にも視野をもつ
新大学院の特色V(共同研究)
○ プロジェクト研究
教員・学生が共同で取り組む
研究の1サイクルを経験できる
○ エクステンション・プログラム
正規コースと等量の力を入れる。
全国からの聴講生を集める
新しい学問形成のモデル
○ 社会に分散している知識の集約装置
○ 問題解決への取組⇒体系化・理論化
○ WEB・出版などによる知識の公開
卓越中心(COE)を目指す
○ すべての分野を網羅しない
○ 後追いでなく、現実の問題から接近
○ 世界に発信する装置(英語版のWEB)
○ 選択した分野ではCOEを目指す
思い切った大学運営
○ 日本の大学の問題点
目標を実現する仕組みを欠いている。
○ 目標実現のために
教員どうしのチームワーク作り
目標実現装置を運営に組み込む
大学外との有機的連携
○ 学生・教員・プロジェクト・エクステンション
○ 外部委員による諮問委員会
まとめ
○ 市民の期待に応えられるものを作る。
○ 新しい社会人大学院を目指す。
○ 革新のリーダー輩出を通して都市経済の発展に寄与する。
○ 新しい学問形成のモデルを創出する。
○ 目標実現装置を運営に組み込む。
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