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国際化研究部会 第26回例会
概要とコメント
とき・ところ
日時: 平成15年10月18日(土)6:00〜8:00p.m.
場所: 大阪産業創造館6階会議室A
第1報告 テーマ:「インドネシアの日本企業経営」
〜アジア的価値の共有〜
報告者:関戸 恒昭氏
りそなキャピタル株式会社 監査役
第2報告 テーマ:「創業促進と最低資本金規制特例制度について」
報告者:前原 誠氏
近畿経済産業局 産業振興部 創業・経営支援課 創業促進係長
概要
第1報告
●戦後の経済発展期。(東京オリンピックや大阪万博開催時代)
メイドインジャパン製品が国際水準に到達するのを目指した時期。
●高度経済成長から豊かな消費社会達成期。(大阪万博から円高不況頃まで)
製造業は地方で労働者と土地を確保し国内での存続を図った。国内フロンテイアが飽和状況となりつつあった時期。
●85年のプラザ合意以来の円高不況対応期。(80年代後半から現在まで)
製造業では、都市部で一般労働者の新規供給が滞り、工場用地でも大阪湾岸地域の工場立地制限法などに見られるように都市部やその周辺部で取得が困難となるとともに、土地価格が上昇し製造業が大都市圏で成り立ちにくくなった。円高というコスト要因がトリガーとなり国内フロンテイアが消滅し製造業はアジア地域中心に直接投資による進出の時代。フロンテイアが国境を越えた時代。
●ジャカルタ面談資料記述
1) 経営者は、インドネシア語について想像した以上に「必要度」を強調した。日本語も英語も理解できない従業員とのコミニュケーションに現地語は必要との判断がある。経営者自身がインドネシア語習得に多大の努力を払っており語学水準は高い。→企画会議、AFTA・CEPT
2) 日本型経営方式(従業員を経営者と同じ人間、人格として扱うこと等)を無意識に導入した結果、日本人の心情、価値観とインドネシア人のそれが共通、共鳴する部分が確認できる。(共通するアジア的価値観)
3) 日本型経営方式は、結果としてインドネシア人の価値観(ムシャワラ:全員一致、ゴトンロヨン:相互扶助)を尊重することとなった。換言すれば、日本文化とインドネシア文化の衝突を回避し好ましい異文化交流が出来た。
●最適国際分業の実現という企業課題の下、世界戦略を構築しそれぞれの国・地域間の整合性をとりつつ、各拠点に地域としても最適の企業経営を行うことが重要である。そのヒントがインドネシアの日本企業経営にあるように見える。その地域の人がその価値観や宗教及び固有の文化の下、心身共豊かで満たされた生活ができるような環境を作れるような経営をすることである。具体的には、インドネシア語での意思疎通やインドネシア人との価値観の共有、理解、尊重である。アジア的価値として価値観が共有できるのが望ましい。
●日本の製造業の生残り策を見てきたが、アジア的価値の共有が異なる文化をもつ者同士の衝突を回避した点に着目し、世界一般に広がる異文化接触における衝突の回避・緩和に応用できないものか。世界は、政治、経済、外交、軍事、教育、医療保健、通信・運輸、文化・芸術あらゆる分野でフロンテイアを拡張している。文化と文化が接するフロンテイアで「衝突」するのか「交流」するのか。インドネシアの日本企業経営にヒントを見る。
(注)本件は、神戸学院大学アジア太平洋センターのご協力とご支援を得て研究したものである。(関戸恒昭記)
第2報告
報告の内容を項目だけ挙げると以下の通りであった。
(1)最低資本金制特例とは
新事業創出促進法の改正による特例
(2)確認会社の義務
各種届出義務、公衆縦覧制度、配当制限、設立後5年以内に最低資本金以上に増資
(3)最低資本金規制特例の目的
創業倍増計画
(4)これまでの申請件数(H15年10月10日現在)
全国:総数7649件、 近畿2府4県1240件
(5)会社成立届件数
全国:総数5450件(資本金1円会社201件)
近畿2府5県:885件(資本金1円会社42件)
(6)確認申請者の属性
性別:男性約75%、女性約25%
申請者の地位:給与所得者、主婦、失業者、年金生活者、会社役員、個人事業を廃止した者
(7)確認会社の資本金
資本金の平均:約100万円
株式会社:約180万円、 有限会社:約41万円
(8)確認会社の業種
申請ベース
小売業:18%、 建設・不動産:16%、 IT・情報・ソフト:13%、 その他サービス:12%
コンサル:9%、 製造業:8%、 医療・福祉:6%
(9)特例利用のメリット
設立時の資本金が少なくて済む
現物出資・・検査役調査の特例
払い込み保管証明
消費税―2年間免税
(10)確認会社の設立パターン
(実質的に)法人成り、(取引等において)法人化義務づけ、スピン・アウト、のれん分け、会社でもやってみようかな
(11)創業促進と最低資本金規制特例の関係
・創業促進課になっている
・安易な考えで事業を行おうとしていないか
→少額資本金で事業ができるのか?
→5年先を見据えた事業計画が立てられているか?
→事業・サービスのノウハウ、信用があるか?
→商品・サービスに特徴があるか?
→法人の仕組み、役割を理解しているか?
→多産多死が日本の社会システムに馴染むか?
(12)外国人がこの制度を使って会社をつくる人が増えてきた。(前原誠記)
コメント
第1報告の関戸氏は30年間の銀行勤務の間に13年間海外生活を経験しメキシコ、パナマ、インドネシア、ベトナムに駐在経験がある。今回の報告はインドネシアを対象としているが、日本人と人生観、価値観、労働観が異なる現地で成功するためにはまず第1にインドネシア語によるコミュニケーションの重要性を説かれた。言葉の問題はフェイタークも指摘しているが、国際ビジネスで成功するための最も重要な要因である。ヒトの現地化を進めるためにも日本人による現地語を話すことは欠かせない。第2に、日本的経営の中での平等主義は現地人に非常に歓迎されているとのことだった。アジアにおける国際経営の中で、日本的経営を現地人と共によりローカライズしていくことが重要だとのことだった。
第2報告の前原氏は、最低資本金制に関する現状と課題について報告された。前原氏の報告は、ベンチャービジネスの起業にとって実務的な内容であり、起業の活発化を通じて民需主導による経済活性化につなげるための国の施策を説明されたものであった。また起業を進める一方で、安易な考えで事業を行おうとしていないかとの警告でもあった。国際化との関係では、在日外国人や留学生による企業の現状と問題点について貴重な説明があった。(米倉 穣記)
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