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国際化研究部会 第25回例会
概要とコメント
とき・ところ
日時: 平成15年9月20日(土)6:00〜8:00p.m.
場所: 大阪産業創造館6階会議室A
第1報告 テーマ:「体験的日中文化比較論」
〜知っておきたい中国人の習慣、気質など〜
報告者:米永 繁夫氏
有限会社CBC代表取締役
第2報告 テーマ:「産業クラスターの国際化戦略」
〜産業クラスター計画の目指すもの〜
報告者:竹中 篤氏
経済産業省近畿経済産業局 総務企画部総務課 産業クラスター計画推進室 室長
概要
第1報告
この報告は、米永氏の中国駐在経験を基礎にした体験的日中文化比較論である。コンサルタントとして各種相談を通じて中国に関する日本人が誤解しやすい諸点についての報告であった。以下に文化面を中心に要約してみたい。
1.漢字
日本人が誤解しやすい漢字について説明があった。例えば、「愛人」=連れ合いとか正式の夫婦のこと、「汽車」=自動車、「情報」=スパイの意味が強い、「経理」=マネジャー、「工作」=仕事、「検討」=自分が悪い、反省する意味が強い、など数多くの漢字について説明があった。
2.気質
中国人との話で注意する点は、何とかなるだろう程度に聞いておくこと。中国人は公私の区別がなく、自己主張が多く、自分だけが文明人であるという中華思想を持っているという。
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3.社会的風土
1950年代の大躍進、1960年代の文化大革命、1980年代の改革開放、2000年代の3つの代表について説明があった。次に、旧国営企業の弊害として「両権混在(所有権と経営権)」、「政企混在(行政機能と経済機能)」、「党企混在(党書記と工場長)」、「社企混在(社会保障の企業負担)」を挙げ、これらから無責任、非効率が生まれ、経営不振、資金不足、倒産が起こっていると指摘された。
さらに、中国には“中華スープ”(4つの不)すなわち、不合理、不公平、不誠実、不愉快が今日でも存在する。解釈権では行政担当官がいいと言えば、yesになるし、中央政府が新しい法律を決定しても地方では地方の都合の良いように進められる。50歳代後半世代の特徴として、文革を経験した人は平気でウソをつき、密告する。しかし、30代、40代の人にはそのような傾向はない。
4.対策
中国進出には、何のために進出するのか「自分の考えを持つこと」が重要。交渉では先に言いにくいことを言っておけば後はうまくいく。通訳の採用で成功する方法を順位付けると、(1)現地企業とは遠い関係の人、(2)日本人の通訳、(3)日本に在住する中国人、(4)現地人の中国人、D相手会社の従業員となる。これらのうちDを使うのが最も良くないという。
5.お土産、お祝い金など
数字(奇数、偶数)に注意する。漢字では、鐘、傘、梨、紅、白、黄など重要な意味を持つものがある。食は冷たいものは体に毒であり、熱いものが好まれる。
第2報告
まず、クラスターの視点から経済を見るメリットについて、ハーバード大学のM.E.ポーターの理論を基礎に報告があった。
1.産業クラスターとは
従来、企業の見方は規模別、産業別、部門別に捉えていたが、今日ではクラスターの視点から捉える方が良い。クラスターとは、特定の分野に属し、相互に関連した(共通性、補完性で結ばれた)企業と機関からなる地理的に接近した集団である。クラスターの視点から経済を見るメリットとして、産業よりは幅が広く、企業間・産業間の重要なつながりや補完性、技術、スキル、情報、マーケティング、顧客ニーズなどのスピルオーバーを捉えることができる。
クラスターには、発展するクラスターと衰退するクラスターがあり、前者は地元での競争、新事業形成に対する地元環境、クラスター参加者をまとめる公式・非公式のメカニズムの効率性により、イノベーションが進展する。後者は生産性、イノベーションが抑えられてしまう。これは行過ぎた統合、カルテル、集団思考等の内部の硬直性に起因するというものである。
OECDは産業クラスにおける集合のレベルを(1)「メガ・レベル」、(2)「メゾ・レベル」、(3)「ミクロ・レベル」に区別しており、例えば(1)では農業、食料産業、(2)ではヨット製造、(3)ではここの企業の連携、ネットワークを挙げている。また、世界の産業クラスター政策を上記の区分で見ると、(1)がデンマーク、フィンランド、(2)が米国の諸州、英国の諸地域、カナダ、ドイツ、オランダ、(3)がオーストラリア、ニュージーランド、アイルランド、ノルウエイ、オランダの諸地域、オーストリア、スウエーデンに分類されている。
2.なぜ“産業クラスター”なのか
産業クラスターへの4つの視点と政策課題として、まず4つの視点では(1)経済地理学、空間経済学からのアプローチ、(2)産業組織論からのアプローチ、(3)経営学からのアプローチ、(4)政策論からのアプローチの紹介があった。地域経済産業政策(産業立地政策)の推移と今後の課題として、歴史的に見てみると、戦後復興期〜1970年代―臨海部における重化学工業の推移、1970年代〜1995年―地方分散の促進、1995年〜−空洞化防止と新規成長分野の発展支援、2001年〜−世界に通用する地域産業・企業の発展支援に区分できる。
3.産業クラスター計画の概要
地域の研究開発能力、産業集積の特徴を踏まえ、全国19の広域的地域・産業分野について、産業クラスター形成を目指すプロジェクトを推進。具体的には、(1)地域における産学官・企業間の交流・連携形成支援、(2)地域の特性を生かした実用化技術開発の支援、(3)起業家育成支援施設の整備などが挙げられている。
産業クラスター計画の今後の課題として、(1)産学官・企業間の人的ネットワークの拡充・濃密化、(2)国際的なクラスター間交流の促進、(3)ネットワークの外延の拡大などが挙げられる。
4.「産業クラスター計画」の目指すもの
紙幅の都合で詳細は割愛するが、この項に関しては(1)東アジアの発展と日本の針路、(2)産業クラスター計画の狙いと効果、(3)産業クラスターの国際化戦略について報告があった。
コメント
第1報告では、基本的には日本と中国は相互に違いがあることを前提にしてどう付き合っていくべきかを念頭に入れることが重要である。また中国に対する日本人の思い込みが誤解を招く結果になる。さらに、中国は政治的には1つであるが、経済的には地域格差があり、北京とか上海とか地域別に捉えなければ説得力がないこと、中華思想を理解することなどの指摘があり、考えさせられる点が多々あった。
第2報告の産業クラスターの国際化戦略を取り上げたのは、企業の国際化に関する報告がどうしても大企業中心になりがちなので、中小企業・ベンチャー企業に視点を置くとなると産業クラスターに着目した方が多くの事例を得られると考えたからである。今回はクラスターの概念から国の産業クラスター政策および国際化戦略についての報告に接することができ有意義であった。なお、最後の国際化戦略については、報告者はJETROの協力を得て進展させたいとのことであった(米倉 穣記)。
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