報告者:品川隆幸氏
株式会社ロダン21 代表取締役
現在の日本経済は不況だといわれて久しいが、個人的には「不況」ではなく「普況」だと理解している。右肩上がりで経済は成長し続けこれに慣れてきた我々製造業は、技術的にもシステムもそして考え方さえも均一的になってきてしまったのではないか。世界的にみると日本の製造業の立場は弱い。対等に戦うことはもはやできないかもしれないが、何か方法はあると思われる。
新しいビジネスモデルとしてロダン21は多方面でお顔を覚えていただくようになったが、 私が異業種グループを立ち上げてこのような形に育ててゆこうと考えたのは、先に述べた製造業の弱さを克服したかったからだと思う。大手企業からの受注を待つだけでは、売上高は伸びずむしろ減少していっている。いままで培ってきた技術力とネットワークを活かして新しい受注方法を構築できないだろうかと模索した結果、今ロダン21が行っているモノ作りのコーディネーター業という形態を作り出した。いわゆるご依頼者と製造業との間に立つ仕事である。昨年より大手企業からの共同開発のお話をいただくようになり、ますます強力なチームワークが必要になってきた。
また弊社も国際化の波に乗り海外へ商売の場を探すチャンスが巡ってきたが、注意しておかなければならないことは、日本が持つ素晴らしさをいかに相手国にアピールすることができるかということを常に考えて製品を作り、商品を販売してゆかなければならないということだろう。また相手国ではどんな日本製の商品が欲しいのかということもリサーチする必要があろう。
平成13年5月に法人化したが自己研鑽の場だけに止まらず、リスクを負いながらも利益を生む集団として歩んできた結果、今ではシンクタンクであるロダン総研(RRD)が側面からモノづくりのサポートをし、またマーケット戦略会議も今年からはじまり、「売れない製品を売れる商品に」してゆき、ひとつでも多くのロダンブランドを世の中に送り出したいと考えている。さまざまな業種が集まりアライアンスを組んでいるロダン21は、メンバークラスター数は約140社、ようやく「何でも作れるように」なってきたところである(品川隆幸氏記)。
日本企業の中国拠点において優秀な中国人が能力や業積に見合う処遇がなされないとして日本企業からスピンアウトするものが増加している。生産拠点から販売拠点、国際間のコラボレーションの地としての中国は、今や日本企業にとりきわめて重要な地となっているが、中国人にとり日本企業の評価は欧米諸国の企業等と比べてその評価が低下している。
これは中国における問題にとどまらず、日本企業の国際市場におけるあり方、ひいては新しい時代のパラダイムシフトに適応できない日本企業のあり方について、問題提起がなされていると考えるべきである。
ロダン21は異業種交流集団を組むベンチャー企業である。東大阪市のクラスターの中でこの集団の活動を知ることができたことは有意義であった。ただし国際化研究部会としては「クラスターにおけるベンチャー企業の国際化の現状と課題」に関心があったのであるが、結論的には、まだ海外展開をするほどのレベルまで異業種交流が深化していないことが判明した。経済産業省が計画している産業クラスターの形成ステージ(第1ステージ〜第4ステージ)のうち第4ステージの世界モデルの段階に成長したときどのような国際化が展開されるのか興味のあるところである。
田中氏の報告は、分業が従来の垂直分業から、水平的なものに転換してきている中で、日本の企業が海外戦略としていかに対応できるかが問われているという格調の高い報告であった。例会は熱心な討議がなされ有意義であった(米倉穣記)。