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国際化研究部会 第21回例会
概要とコメント





とき・ところ

日時: 平成15年5月24日(土) 4:00〜6:00p.m.
場所: 大阪学院大学、2号館5階会議室

第1報告 テーマ:「中国に対する日本企業の技術戦略」


報告者:萩野 典宏氏
         経営士・経営コンサルタント

第2報告 テーマ:「中小企業における“内なる国際化”への対策」


報告者:片山長昭氏
         片山チエン(株)代表取締役会長
     

第1報告概要

今回の報告は、前回の『中国に対する日本企業の経営戦略』(2002年 12月14日)の続編で、特に『技術戦略』に焦点を当てて報告した。 基本的には、多国籍企業は「蓄積した技術」を中国市場で活用し、さらに、 グローバル市場で活用しているということに関するテーマである。


【1】「中国の産業高度化政策と国際技術導入の発展効果」

最初に、中国政府は、今後20年間、年平均で7%以上の経済成長を続けて いくため「科学技術振興政策」を展開する方針であることについて述べた。


【2】「中国におけるリスク問題と技術開発力強化の課題」

現在、中国にはSARS問題以外に、中国政府の財政赤字問題、4大国有銀行 の不良債権問題などが存在し、新技術開発について、中国は日米欧より遅れて おり、技術革新を推進せねばならないという課題がある点などについて述べた。


【3】「グローバル経営戦略の分析フレームワーク」

第1に「グローバル経営戦略の分析フレームワーク」を提示し、 第2に「輸出戦略・多国籍化戦略の生成・展開のプロセス」について説明した。 第3に「企業の国際化戦略に対する規定要因」として、動因(進出の動機)、制因 (進出への阻害要因)、誘因(進出の促進要因)について理論的に説明した。 第4に「中国への技術戦略に対する規定要因」について、日本企業の中国での技術 戦略展開に関して、具体的事実に基づいて「動因」(戦略展開の動機)、「制因」 (中国での模倣品問題など)、「誘因」(高度成長、特許出願など)について述べ た。

以下、【4】「中国人技術者への日本企業の技術研修」、

【5】「中国に対する模造品対策と特許ライセンシング契約」、

【6】「中国の企業・大学と日本企業との共同研究開発」、

【7】「中国企業のグローバル経営戦略の展開」

に関して、各企業の具体的事例などについて説明した(萩野典宏記)。

 

第2報告概要

 中小企業における「内なる国際化」への対策として考えなければならないこととし て、 第1にわが国における少子化が及ぼす社会構造変化、第2に経済構造の変化に対応する 企業の対応力、第3にナレッジ・マネジメントの到来に触れ、第4に「内外の補完シス テムの構築」が「内なる国際化の本質であると言及された。そして開発、品質保証、 ロジスティクス等の諸体制の整備が喫緊の問題点であることを主張された。

まとめとして、世界の工場としての中国への依存、片山チエン(株)の商品も大半 が中国製に転換すること、そして転換に際してブランドへのこだわり、商習慣へのこ だわり等の過去の「しがらみ」への去就が問題化されると主張された。

最後に、「開発」こそ「内なる国際化」のコアであり、「開発」の成功により過 去、未来、国際化、デジタル化,組織の転換等私たちの周辺に渦巻く凡ての矛盾が凡 て解消して新しい日本が生まれるとの主張であった(米倉穣記)。

コメント

第1報告は前回の報告の「技術戦略の観点から見た日本企業の対中戦略」の続きで あり、今回は対中戦略を技術的観点に立ち理論的に、またケースを取り入れながらの 報告であった。


第2報告は、日本企業の「内なる国際化」問題を技術者の目線から捉え、日本企業 の今日的問題点を指摘された。


第1、第2報告とも視点はやはり中国に向けられており、昨年のわれわれの研究テー マであった「中国を知る」を補完する意味で大いに勉強させていただいた。


ただ問題点としては、ベンチャー企業の国際化の参考にはなるが、ベンチャー企業 そのものの国際化に食い込んだ報告ではないので、この点は今後の研究課題だと思わ れる(米倉穣記)。


最後に、今回は都合により、日時と会場を変更しましたので一部の会員の皆様にご 迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします(米倉穣)。



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