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国際化研究部会 第20回例会
概要とコメント
H14年の1年間を振り返って
とき・ところ
日時: 平成15年2月15日(土)6:00〜8:00p.m.
場所: 大阪産業創造館 6階会議室A
「外国人研修・技能実習制度の現状について」
〜JITCOの機能と役割、現地送り出しの現状、日本の受入れ状況、研修状況を中心にして〜
講師:小林功治氏
(財)国際研修協力機構(JITCO)
国際部渉外第一課長
概要
日本の少子化による人口問題、それに伴う生産年齢の高齢化などを視野に入れて、
今回は外国人研修制度・技能実習制度の現状について、国際研修協力機構(JITCO)
の小林氏に報告をお願いした。
内容は1.外国人研修制度とJITCOの設立、2.外国人技能実習制度、3.外国人研修事業の現状と
今後の展望の三つに大別できる。
外国人研修制度
第1について、外国人研修生を受け入れる法律について説明があった。現状では研修制度に関する特別な法令は無く,研修生受入れは入管法に基づいている。法務省調べによると、2001年度の研修生受入れは59,064人で、年々増加している。これらの研修生は労働力として受入れるのではなくて、日本で訓練して,母国の経済発展に役立ててもらうことを第1の目的としている。かつて、西独が高度成長時代に外国から単純労働者を受入れ、家族を呼び寄せ、定着したことで西独経済発展に貢献したが、低成長時代に入り帰国しない彼らのケアのために国策として大きな問題を引き起こしたことがある。このことを踏まえて、日本は単純労働者の受入れは禁止しているのである。それでも、1990年度は30万人程度の不法就労者が何らかの形で仕事をしており、わが国では不法労働者に対する罰則を強化しているところである。
日本での受入れは団体監理型を導入しており、一次受入れ機関(中小企業団体等)と二次受入れ機関(一次団体の会員企業)の受入れがある。JITCOは一次受入れ機関として1993年4月に設立されたものである(JITCOの活動内容については紙幅の関係でここでは割愛する。詳しくはJITCO東京本部に問い合わせてほしい。)
外国人技能実習制度
第2の外国人技能実習制度について。この制度は、研修生と技能実習生の二つに区分されており、1年研修後日本語による技能検定3級を受検して合格すれば技能実習生として2年間の滞在延長が認められる。
問題点と今後の展望
第3に外国人研修事業の問題点と今後の展望について。外国人の送り出し機関として、現在12か国中、中国がもっとも多く150の送り出し機関が存在している。その他に、インドネシア、タイ、ベトナムからの研修生が多い。
問題点として、まず、失踪者の問題がある。失踪は全体の2%程度であるが、そのうちベトナム人が20%を占めている。企業にとって失踪者が出ると入管からイエロー・カードが出る。それが続くと、レッド・カードに変わり受入れができなくなる。
つぎに、死亡事故の問題がある。交通事故が最も多く、自殺、内臓疾患が続いている。JITCOではこれらの防止のためにセミナーを開いている。
第3に、受入れの不正、不法行為が発生している。例えば、日本側が賃金未払い問題を引き起こした事件がある。
第4に、在留資格の一本化と団体監理の位置づけが今ひとつ不明確である。とりわけ、技能実習生を企業が監理するのではなく、団体が監理する必要がある点である。
第5に、技能試験制度について、このテストは技能実習生が自分のキャリアを裏付けるためのものになっていないことである。
第6に、社会保険制度に加入はできるが厚生年金を受入れるところまで完備されていないことである。
今後の展望として、日本政府は外国人との共生を図っていく方向へこの制度を進めている。2000年3月に政府はおおむね5年かけて検討していくとの姿勢を示している(米倉穣記)。
「コメント」
少子・高齢化により、15歳〜64歳までの日本の生産年齢人口は年々減少している。1996年には8700万人であったが、2020年には7300万人、2050年には5400万人と減少し、このままでは、第1に高齢者の就労、第2に労働力を外国に求める(海外進出)、第3に外国から労働者を受入れるかのいずれかを考えなければならない。少子・高齢化、日本産業の空洞化などを考えると、第3の道が今後の日本にとって重要な問題となってくるだろう。そのような観点から、今回の小林氏の報告はわれわれに貴重な情報をもたらしてくれたと思う(米倉穣記)。
H14年の1年間を振り返って
H15年2月の例会で、スタートから20回目を無事終えることができた。H14年度は、研究部会のテーマを「中国を知る」に絞り、いろいろな角度から中国を考えることができた。「中国におけるソフトウエア開発のベンチャー・ビジネスの実態」、「中国経済の状況」、「中国における日系企業の現状」、「中国への投資リスク」、「WTO加盟後の中国の問題点」、「中国人の物の考え方―比較文化論」、「日本人による中国オペレーション」、「中国での日系企業の物流の現状」、「香港から語る中国ビジネス」、「技術戦略の観点から見た対中日本企業の経営戦略」など盛沢山のテーマで充実した研究会を進めることができた。これらのテーマを論議することで,参加者はかなりの中国情報を得ることができたのではなかろうか。また、第19回には、ベンチャー・ビジネスはまず教育からということで、「アメリカの教育に学ぶ」を論議し、日本の教育を考え直す機会を得た。第20回には、日本の人口問題や労働問題を考えながら、日本企業の今後のあり方にも触れることができた。
また、H14年度は毎回数名の学生が参加してくれた。はじめはどこまで継続できるか心配であったが、後半には自分の意見を述べたり、質問で挙手するなど、彼らが毎回確実に成長していく姿を目の当たりにして、学生を参加させてよかったと思う。
最後に、国際化研究部会の平成15年の方針は、1月の第19回例会で報告したが、新年度の第21回で改めてビジョンを述べるつもりである。スタートから2年間20回の研究部会を継続して開催できたのは、幹事、会員の方々、事務局のご協力のお陰であり、ここに謝意を申し上げたい(米倉穣記)。
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