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国際化研究部会 第14回例会・概要

特別講演会



とき・ところ

日時: 平成14年6月29日(土) 午後4:00〜5:30
場所: 大阪学院大学 2号館 02-B1-02教室

テーマ:「中国人の物の考え方ー日本との違いに注意しよう」

講師:日中経済貿易センター
   情報ネット部担当部長
   巽 良生氏

概要:

 今回は国際化研究部会の初めての特別講演会だった。会場が大阪学院大学であったため、学生の参加者が多く、一般の方と合わせて合計109名の出席者があった。講演は講師の巽良生氏の30年間にわたる中国研究の成果だけあって、平易な表現ではあるが内容の濃いものであった。そして、中国ビジネスに関して細心の注意が必要だということを学んだ。また、学生たちにも好評で、42名がリポートを提出してくれた。学生たちからはこの種の講演会を今後もぜひ開催してほしいという要望が強かった。また、このような研究会があるのならぜひ会員になりたいという学生も出てきた。国際経営論、国際投資戦略論を受講している学生たちだったので関心が高かった ものと思われる。

 講演の要旨は(1)中国は外国である、(2)誤解を残さない工夫、(3)個人同士のつきあい方について、(4)考え方も変化するの四つに大別できるだろう。

 (1)中国は外国である

 日本国内で日本人を相手にするのと同じように行動しようとする日本人がおられるようだ。しかし、中国は自然環境が違い、そのために生活習慣が違い、概念の違いがある。例えば、日本人はめでたい行事のとき、看板や表示板を作るのであれば普通は白地に黒い文字で書く。ところが白地に黒の文字を見ると、多くの中国人は葬儀を連想していやな感じを持つという。中国人なら赤の地に金色か黄色か黒で書くという。

 日本人は自分の意見をはっきり表明しないことが多く、まわりの人の考え方に合わせたり、相手の考え方に合わせたりしがちだが、中国人は通常非常に具体的にはっきり自分の意見を言う。日本人も「これはできる」「これはできない」とはっきり主張を出さないといけない。

 生活習慣からくる概念の違いが問題を生むことがる。2年ほど前、武漢市内のレストランで日本人が食事中、中国人ウエイトレスの対応が悪かったということで怒り、床に土下座して謝らせたことがあったという。当時、日中関係が悪化しつつあったときでもあり、このことが多くの中国人の憤慨を買ったという。中国では椅子とベッドの生活で、たとえカーペットが敷いてあってもその上にひざまずくことはなく、ひざまずく姿勢をとるのは、家族が死んで墓の前で死者をとむらうときだけという。したがって、死んだ先祖でもない他人の前でひざまずかされることは、非常に屈辱的なことであり、日本人には理解できなかったことと思われる。

 (2)誤解を残さない工夫

   「中国人にだまされた」という日本の中小企業、零細企業経営者がおられるという。巽氏は、日本側の考え違いがそもそも失敗の始まりだったのではないかと指摘する。商談に当たっては事前の取り決め(例えば契約書を作成すること)が必要である。

 (3)個人同士のつき合い方について

   中国人には、友人である以上、損得抜きで共存しようという考え方が根底にあるという。費用のかかることを頼んだとき、費用を支払おうとしても「友人だからお金はいらない」といわれることが多い。もし費用を支払いたいのならば、「友人としてではなく、仕事として依頼したい」という意思表示をするとか、実費で払うということを事前に了解してもらう必要がある。また、日本には結婚祝いや、入院見舞いをもらったら、内祝いを返す習慣があるが、中国ではいちいちお返しをするという習慣がないことも重要なことだろう。さらに友人同士で食事にいっても、割り勘でやることはなく、誘った人が払うのが普通だという。

  (4)考え方も変化する

 中国人の考え方がドライになってきている。今日では国のためでなくお金のために仕事をするというスタイルがかなり主流になってきている。しかし、この考え方は沿海部と内陸部とでは気風も違うので注意する必要があるという。

 以上は、巽氏の講演と論文(「合理化」、大阪府経営合理化協会平成14年5月号)の要旨であるが、講演会に参加した方々は「中国人と日本人と物の考え方はこんなにも違うのか」とか「この講演を聴いて中国がより身近に感じた」とか「非常に参考になった」などの声を聞くことができた。心理的・物理的に近いと考えていた中国はこんなにも違うのかという事実を知って、中国進出を単なるブームとしてとらえるのではなく、細心の注意を欠かせないものと思った。今回の講演を今後の国際交流にぜひ役立てたいと思った(米倉穣記)。

      


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