■□■□ 私の提言 第1回 ■□■□


ベンチャービジネスのシーズ

本田英行


(ほんだ ひでゆき  本田工業社長、本学会顧問、VEC関西支部長)



景気の動向がいよいよ厳しくなってきました。IT時代のリーダーのソニーや松下電 算も、希望退職や雇用調整の話がでてきました。商社や銀行、スーパー、ゼネコンす べての企業で、雇用調整がこれから本格化します。関西では失業率も6月は6.4% になったそうです。これからどんどん悪化するでしょう。今政府はこれら失業者の雇 用をベンチャーに期待し、いろいろな支援策を用意してきましたし、これからも、も っといろいろ用意するでしょう。

でも、まだまだ、廃業数が新規開業数を上回っています。 今、新しく失業者の仲間入りする方々は高学歴の管理職だった方々が多く、確かにベ ンチャー予備軍としては十分期待できると思いますが、何をやればいいのか、不況の 中逡巡しているのでしょう。 そこで、今までいろいろなベンチャーの方々と交流を 重ねてきた経験から、私なりのシーズの選び方を考えてみたいと思います。

1.十分な知識と理念

まず、開業に当たりこれから始める業界に十分な知識があることです。当たり前のこ とですが、商売は必ず競争があります。同業者の動向を調査するともに、そことの競 争優位性をどこに定めるかがポイントです。先輩の会社には償却が終わった設備と か、子飼いのベテラン社員がいるものです。そこに勝てるビジネスプランが必要です。 それに、ただ金儲け動機だと、いずれもっと強い会社が現れます。自社が新規参入す るには、はっきりとした使命感とビジョンが必要です。

2.成長分野であること

どんないい経営資源より、その業界がこれから数十倍も大きくなる分野でなくては新 規参入のメリットはありません。 年々倍以上成長していく分野であれば、新規参入 企業にも十分余地があります。ソニーもバナソニックも戦後日本の高度成長があった からこそあそこまで大きくなりました。
今政府は重点7分野に予算を配分するといっています。たとえば環境に関して政府は 一般廃棄物処理を民間に委託しようとしています。 これだけでも約20兆円の市場 ができることになります。新しい法律ができれば、新しい需要が生まれ、大きなビジ ネスチャンスになります。

3.高付加価値商品

ベンチャーは資金力と人手はありません。いいものを安く作るノウハウは従来企業に 後れをとります。従って、ソフトを売るビジネスが向いています。ソフトとは特許な どノウハウや技術を中心とした商品を売るべきです。これにはビジネスモデル特許も ふくまります。
1ユニット10万円以下の商品だと、広告宣伝や在庫、輸送などいろいろな機能が求 められ、ベンチャーには向いていません。1ユニットごと説明にゆけるように100 万円以上の商品で、オーダーメードの商品が向いています。

これから小泉改革が始まり、世の中が大きく変わります。世の中が変わるということ はベンチャーにはチャンスです。金と物と人の動きをじっくり観察しベンチャーしま しょう。



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