関西ベンチャー学会>メールマガジン>第15号


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■■ 関西ベンチャー学会メールマガジン第15号  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━発行日平成14年6月27日━━━━

■目  次■
コラム
京都リサーパーク(KRP)の近況(2) 地域プラットフォーム事業の紹介(定藤繁樹)
研究紹介
グローバル・アントルプレナーシップ・モニター:《第3回:一般調査「機会・評価・浸透》  (磯辺剛彦)
研究部会御案内
ベンチャー支援
KAVES Information
会員意見欄
事務局よりのお知らせ




▲▽コラム▲▽

【京都リサーパーク(KRP)の近況(2)】
地域プラットフォーム事業の紹介

               関西ベンチャー学会理事 定藤 繁樹
              (KRP・産学ビジネス部・ベンチャー担当部長)

前回は、株式会社KRPが行っている産学連携活動についてご説明しました。この活動は、(株)KRPが独自に行っているものでしたが、今回は、リサーチパークKRP(“KRP村”)の中にある公的な機関が実施している新事業創出活動(地域プラットフォーム事業)についてご紹介します。

“KRP村”には、京都市の高度技術研究所(ASTEM)と工業試験場、京都府の中小企業総合センターなどの公的な施設があります。“KRP村”は、これらの公的な機関が新技術の開発、地元中小企業の支援、新事業(ベンチャー企業)創出の支援などの役割を担い、その相乗効果によって地域経済の振興が図られるようにデザインされています。

一方、1998年に新事業創出促進法が制定され、ASTEMが京都市の中核支援機関に認定されました。そして地元の中小企業・ベンチャーの振興を図る11の機関が、支援機関としての指定を受け、新事業(ベンチャー)を創出するための京都市地域プラットフォームが形成されています。支援機関として指定されたのは、発明協会、商工会議所、工業会、大学コンソーシアム京都、(株)KRPなどです。これらの機関が、ASTEMなどと相互に連携しながらベンチャー企業の支援に当たる仕組みができたわけです。その代表的な事例を1つご紹介しましょう。

京都には50にのぼる大学・短大があり、(財)大学コンソーシアム京都を結成して、単位互換や共同研究などの活動を推進しています。京都市とASTEM、大学コンソーシアムは一昨年、キャンパスプラザ京都(JR京都駅前)に「京都起業家学校」を開設しました。ここでは、起業家を志す社会人を主な対象に、起業と会社経営のために必要な知識・スキル・実務が教えられ、事業計画書作成の個人指導が行われています。そして同校を卒業した起業家には、ASTEM内にある創業支援オフィスへの優先入居や会社設立法務などの支援が提供されます。さらに、会社運営に必要な運転資金などの低利融資を受けることが可能になっています。すなわち、起業のための知識の獲得、起業実務への支援、創業のための事務所提供、会社運営のための資金調達にいたるトータルな、「起業家育成システム」が、プラットフォーム事業に参画する機関によって提供されているわけです。

“KRP村”には、京都府のプラットフォーム事業を中核支援機関として推進する(財)京都産業21も事務所を所有し、府域を対象にした広域的な新事業(ベンチャー)創出のための活動を展開しています。京都市・府などの公的支援機関によるベンチャー支援と、(株)KRPなど民間のよるベンチャー企業育成の仕組みが巧くかみ合うことによって初めて、地域経済振興を目的とするリサーチパーク“KRP村”のミッションで達成されることになります。



▲▽研究紹介▽▲

【グローバル・アントルプレナーシップ・モニター】
 〜起業家活動の国際比較研究〜《第3回:一般調査「機会・評価・浸透》

                     流通科学大学 磯辺剛彦

GEMの一般調査では、起業家活動の活発さ以外にもVBの対象となる機会や起業家に対する社会的な評価などの調査も行っており、それらの結果についても報告申し上げたい。

【VBの対象となる事業機会】 VB立ち上げの重要な課題は、ビジネスチャンスを発見することである。いくら起業家をめざしても、魅力的なビジネスを発見できなければVBをスタートできないのは当然である。一般調査において、「6ヶ月以内に新しい事業機会が生まれると思うか」という質問を行った。その結果、フランスに続いて二番目に低い水準(約7%)だった。1999年の調査の1%から徐々に増加しているが、依然として低い水準にある。逆に数値が高いのは、ノルウェイやフィンランドの北欧諸国だった。

第2表

【起業家に対する評価】
いくらVBのチャンスがあっても、起業家というキャリアに対する社会的な評価が低ければ、リスクを負ってまでVBを始めようとする意欲は失われることが予想される。起業家に対する評価を知るために、「あなたの社会では、新しい事業や会社を始めることは尊敬・評価されますか」という質問を行った。過去2年間の結果をみると、日本では起業家に対する社会的な評価がきわめて低くなっている(この質問は昨年の調査から除外している)。社会的評価が低い日本において、リスクの高いVBを始める意欲が今ひとつ高まってこない実情が反映されているのであろう。

第3表

【VBの社会的な浸透】
起業家活動の活発さの重要な指標のひとつに、VBや起業家の存在が社会的に浸透しているかどうかというものがある。「知人の中にVBを始めた人がいるか」という質問をしたところ、「はい」と答えた日本人の割合は約16%だった。この項目でも高い数値を示したのは、フィンランドやスウェーデンといった北欧諸国である。要するに、日本のVBを取り巻く現状は、チャンスを見つけることができない、社会的にも尊敬されない、周りにも起業家は少ないというものである。次回も一般調査の結果について紹介する。



▲▽研究部会案内▽▲

     (各部会の詳細情報はHPをご覧ください)

【国際化研究部会】(特別講演会)

《日時》2002年6月29日(土)4:00〜5:30p.m.
《場所》大阪学院大学 2号館 02−B1-02教室
《テーマ》「中国人の物の考え方ー日本との違いに注意しよう」
《連絡先》米倉穣  E-mail: ANB41772@nifty.com
*6月19日メール連絡済み

【コミュニティ・ビジネス研究会部会】

《日時》2002年7月1日(月)18:30〜
《場所》産業創造館17FルームB
《テーマ》「地域活性化のためのインキュベータ機能」
《連絡先》加福共之 E-mail:tokafuku@leto.eonet.ne.jp
*6月21日メール連絡済み

【マーケティング研究部会】

《日時》2002年7月19日(金)18:30〜21:30
《場所》産業創造館6F 会議室D
《連絡先》内池滋  E-mail: amic@ro.bekkoame.ne.jp

【起業家育成研究部会】

《日時》2002年7月20日(土)13:00〜17:00
《場所》神戸大学六甲キャンパス国際協力研究科の建物
               (1階一番奥の会議室)
《連絡先》忽那憲治 Email: kutsuna@rose.rokkodai.kobe-u.ac.jp
*6月11日メール連絡済み

【国際化研究部会】

《日時》2002年7月27日(土)13:00〜17:00
《場所》産業創造館6F 会議室C
《連絡先》米倉 穣  E-mail:ANB41772@nifty.com



▲▽ベンチャー支援機関紹介▽▲

2002年7月度ビジネス研究会C.I.P. ブラッシュアップミーティング 開催

《テーマ》次世代ポータルサイトの可能性を目指して
      〜人力検索サイト『はてな』および『はてなアンテナ』の場合〜
《日時》2002年7月13日(土)、PM6:30〜PM9:00 
《場所》大阪産業創造館 17F フリースペース 
《連絡先》合資会社 ビジネス・バレー http://www.business-valley.co.jp
《主催》合資会社 ビジネス・バレー(竹下昌宏会員の紹介)

キャンパスベンチャーグランプリOSAKA

《テーマ》学生によるビジネスアイデア・プラン募集し、起業家精神を育成するコンテスト。
《応募期間》2002年9月1日〜10月31日(消印有効)
《連絡先》〒540-0031 大阪市中央区北浜東2‐16 日刊工業新聞社大阪支店
      Tel 06-6946-3382 / Fax 06-6946-3389
E-mail j263382@skyblue.ocn.ne.jp



▽▲KAVES INFORMATION▽▲

(各情報冒頭の#X−YYは各情報の関西ベンチャー学会内保管場所)
(コメントに関し、意見があれば関西ベンチャー学会までメールでご連絡ください。)

【#3−45:地域通貨 近畿に広がる】

(日経 6.25)
JA兵庫六甲(農業交流事業参加者にJA直売所の農産物購入券を提供)、寝屋川・大利商店街(高齢者の家事援助サービスの交換にNPOが発行していたものを商品購入にも利用可能とした)などを紹介。兵庫県の地域通貨発行6団体(予定を含む)が地域通貨の連携の可能性を探るために7月に篠山で「地域通貨サミット」開催。

《コメント》地域通貨はボランティア的なサービスの交換に使われてきたが、地域経済の活性化目的で利用範囲をひろげつつある。本会、CB・NPO分科会の研究テーマと関連。

【#3−41:アメリカ2社がバクテリアで油類浄化技術を実用化】

(日刊工業 6.24)
@ダンラプ社:12種類の細菌を徐々に放出させてグリース、脂肪、オイルなどのほか、タンパク質、デンプンを浄化。グリーストラップのつまり防止に効果も。 Aストラタ社:微生物と酵素の併用で浄化と硫化水素のにおいをコントロール。

《コメント》廃棄物処理は有望事業分野。背景に日本が強みとする発酵技術があるが、システマティックな取り組みで遅れをとっていないだろうか。本学会でも廃棄物処理を事業として考える活動(分科会)を考えてはどうか。

【#3−34:環境にやさしい酸性電解水】

(日刊工業 6.20)
アメリカの炭疽菌騒動のとき、消毒のために体をまるごと酸性電解水で洗ったという話がある。その酸性電解水がこのたび洗浄、消毒目的で食品添加物として使用することが厚生労働省から認可された。食品分野だけでなく、将来は農業分野での活用がみこまれ、市場拡大が期待されている。参入する装置メーカーが増えることも予想されている。

《コメント》食品添加物の認可に向けて旗振り役をしてきた国立感染症研究所の堀田室長は編集子の旧知で、希望があれば酸性電解水に関連した新事業の可能性について講演会アレンジ可能。希望があれば事務局まで。

【#3−32:大阪産業大学などがリードして「アジア起業家村」開設】

(日刊工業 6・18)
産学官連携によって、日本人だけでなくアジアの起業家予備軍に門戸を開放するベンチャー企業創出事業「アジア起業家村構想」が大産大、地域公団などが中心になって立ちあがる。構想には新設予定のNPO「アジア環境・新技術支援センター(仮称)」があたる。地域公団の資金で建設されている東大阪市のインキュベーション施設が活動拠点に使われる予定。

《コメント》アジアを対象としたベンチャー関連活動では日本が後進国であることを自覚すべきで、学ぶ姿勢が重要であろう。本メールマガジンに掲載中の磯辺氏の解説参照。

【#3−26:医療特区により地方の世界競争基盤と利益の地域還元を】

(日経 6・13)
医療特区を非営利ホールディングカンパニーを中心に組織して、地方が自立して世界競争に挑む基盤を作るべきことを富士通総研研究員が提案。

《コメント》高齢化に向けて医療ニーズは多様化し、かつ高まるが、一方では医療費問題を理由に医療施設の建設には必ずブレーキがかかる。関西では医療・バイオを中心とした地域再生が進行しているが、そのとき経済的な側面への目配りが重要。医療の周辺にはベンチャーを含むさまざまな新規事業機会が創出されるので、本学会として施策動向に関連した問題点の体系的な把握が要るであろう。
ヒューマンサービス研究部会のアレンジで本会の例会のテーマとして取り上げてもらえないか。
【#3−23 近畿のNPOが1000を突破】
(日経 6・12)
近畿2府4県のNPOの分析。近畿経産局は、管内のNPOのうち30%弱は起業支援型と説明。


《コメント》「NPOが経営として成り立つには、まだ課題が多い。」とのこと。

【#3−23 イギリスの一流大学が民間から学長を招聘】

(日経 6・17)
インペリアルカレッジはハロッズ百貨店に程近いロンドン中心部にある大学。オックスフォードやケンブリッジほどの老舗ではないこともあって産学連携には特に熱心な大学であるが、同大学は世界超一流の製薬企業グラクソスミスクライン社のサイクス会長(59)を学長に迎えた。同大学はイギリス政府を中心に設立された「ユニバーシティー・チャレンジ・ファンド」から邦値に換算して5億5千万円を得て学内の有望な構想の事業化を支援している。構想の評価にはベンチャー起業の成功者が委員長として参画。機関投資家も委員として名を連ねる。

《コメント》イギリスでは70年代後半にサッチャー首相が大学予算を締め付けたことをきっかけに産学連携が活発になった。現在は少子化が進み、大学間の競争が激しい。起業支援は学生集めの切り札と位置付ける大学も多い。余談であるが、編集子の旧知でもある新学長は、大学学部卒業後グラクソ社に研究助手として入社したが認められて大学に内地留学。大学でも抗生物質関連で優れた研究成果を上げて、アメリカの製薬企業スクイブ社にスカウトされた。スクイブ社は研究所長就任を依頼したが、グラクソから上級役員として帰ってくるよう要請された。同氏はグラクソに帰り、副社長、社長、会長を勤め、その間経営手腕を発揮し、ビーチャム社、スミスクライン社を次々と併合した。今回60歳を前にし華麗に学長へ転職。立志伝中の同氏の登用は大学の人気を高めるだろう。

【#3−21 BTG会長が我が国の知的財産権戦略の問題点を指摘】

(日経 6・13)
BTG (British Technology Group)はイギリスの大学発の技術を商品化するために設立された技術移転組織(ホーバークラフト、免疫抑制剤等で実績)で、もともとは公営であったが現在は民営化されている。BTG会長が次のような指摘をしている。
・日本の特許数は多いが、特許で大事なのは数でなく実用価値。
・知的財産を社会全体で有効活用するためには大企業、大学、起業家、VCistが一つのシステムとして機能することが必要であるが、そのさい官主導はだめ。
・日本では信用のないひとにただ同然の金利で貸すのがベンチャー育成と考えている人々がいる。借りた側は利益を生み出す意欲も責任感もない。
・英国では17年前に起業家精神を教え始め、その結果土壌が変わってきた。日本では土壌が整っておらず、優秀な起業家はアメリカに逃げてしまっている。

《コメント》土足で踏み込まれたような指摘だが、なんとなく分かるようなところもある。

【#3−10 関西の中小 宇宙事業に進出】

(日経 6・9)
東大阪の中小企業群による小型人工衛星打ち上げプロジェクト/京都などの中小も衛星の素材・部品・検査ビジネス。宇宙開発事業団(NASDA)の「宇宙開発ベンチャー・ハイテク開発制度」による助成で参入機会拡大

《コメント》アメリカの次世代自動車開発のアイディアが自動車業界ではなくもっぱら宇宙開発から得られたという事実がある。中小企業による宇宙事業へのチャレンジには新技術開発に大きな波及効果が期待できる。



▽▲会員自由意見欄▽▲

第1回産官学連絡提携推進会議出席雑感

大阪産業振興機構 フォレックス部 コーディネーター 釣島平三郎
メールマガジンの案内有難うございます。

第1回産官学連絡提携推進会議に出席させて頂き大変勉強になり、我々のこれからの使命を強く感じました。たまたまライフサイアンス部会で、勇を鼓して下記のような意見を述べてみましたので紹介いたします。

大阪産業振興機構で現在ベンチャー支援の仕事をさせて頂いておりますが、昨年まで17年間アメリカに駐在し、シリコンバレーを含む2,3の現地法人を責任者として立ち上げ、その後経営を経験させて頂き、またアメリカの大学等の教育にも関係した経験から次の指摘をさせていただきます。

1.日本でなかなかアメリカのように起業出来ない理由の根本は日本の教育に問題にあると思う。アメリカの大学生は一生を通じてやりたい自分の人生目標を捜し、これを見つけるために必死で勉強するが、今の日本の大学生は学校をレジャーランドと考え勉強しないので、とてもベンチャーを起こすような興味とパッションがでてこない。アメリカでは個性重視の多様な教育を行なっているが、日本小中高の受験中心の暗記を主体の金太郎飴的な没個性の教育では、問題解能力を持ったリーダーが養成されない。ベンチャーを本当に起こす気なら、この教育の根本問題に手を付けない限り成功はしない。

2.政府の方針では、これからの医療政策はバイオ一辺倒だが、バイオには非常に金がかる上に安全性にまだ不安がある。病気になってから直すより、病気にならないように予防をする方がベターである。以上の理由により代替医療(東洋医学、民間療法など)にももっと力を入れるべきでないか。もともと東洋から発信した代替医療はアメリカでは日本以上に市民権を得て盛んであるので注目すべきだ。

なお余分なことながら、産官学推進連絡会議ではアメリカの社会経済システムを本当に分かっておらず、現象的に真似をしようとしている。このままではアメリカの2番戦煎じになるので和魂洋才で日本の古来の素晴らし魂を付け加える必要がある。日本の今までのシステムは完全に制度疲労して非常に非効率になっている、教育、経済、のシステムを早急に国際競争力のあるようなシステム変えてゆく必要がある。以上は雑感です。

(上記は前週メールマガジン休刊通知に編集子の第1回産学官連携推進会議の 印象に対して寄せられた釣島会員のご意見です)


▲▽事務局よりお知らせ▲▽

【各種郵便物発送】

25日付けで学会より第一回年次大会要旨集などの郵便物を発送しました。もしも到着しないようでしたら、事務局までご一報ください。
(なお、5月以降にご入会の会員様は、もうしばらくお待ちください。)

簿作成・会費納入について】

名簿作成・会費納入へのご協力をよろしくお願い申し上げます。


==============◆関西ベンチャー学会◆==============
〒541-0053大阪市中央区本町1-4-5 大阪産業創造館内
TEL: 06-6264-9818 FAX: 06-6264-9889
mail: info@kansai-venture.org
URL: http://www.kansai-venture.org/
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