自著紹介

Q&A 金融再生とIT

金融の複雑系をこの1冊で読み解く


高田輝男(朝日監査法人)
NTT出版社



自著紹介文

金融ビッグバンの折り返し点を過ぎた頃から、にわかにIT革命の嵐が市場に吹き荒れ、ビジネスの枠組みを本格的に変えてしまいかねない変革が世界的規模で進みつつあった。

既に、金融資本市場においては、IT革命の具体的現れとしてネットバンキングやオンライントレードが出現しており、金融ビッグバンにおける制度の変革と相俟って異業種が金融証券業に参入するなどの兆しが見え初めており、マーケット・ウオッチャーとしては、見逃せない状況となっていた。

申し遅れたが、私は1999年12月に金融ビッグバンの折り返し点までの変革を論じた「金融ビッグバン最終局面」をNTT出版より上梓している。

その経験から、今回は金融ビッグバンを金融資本市場の制度改革という視点からだけでなく、最新の社会的現象であるIT革命を絡めた視点で論じてみるのも面白いのではないかと考えて本書の執筆に取り掛かった次第である。

時あたかも、IT革命の産物であるベンチャービジネス向けの株式公開市場が続々開設され、ベンチャービジネスの公開に向けての考え方や世の中の受け入れ方が抜本的に変わってきたことも執筆の契機となった。

目下、1年前とは裏腹にIT不況が景気を下押ししているという報道が目立つが、それはいつの世にも起こり得る需給関係の読み間違いによるものであって、IT革命の本質は何ら変わっていない。むしろ、この本質を踏まえて企業経営の変革に取り組まなければ、落ちこぼれてしまうリスクもありうると考えて、企業経営への影響についても論じてみた。

また、公的資金投入によって一息ついたかに見えた金融システムも、様々な問題を先送りにしてきたツケが噴出しているかのようである。

「金融再生とIT」という表題は、喫緊の課題である金融システムの安定に向けて私の願望を交えながら、一足先に危機をクリアーした米国の事例をひきながら紹介したことによるものである。

本書は「金融再生とIT」という表題ではあるが、おそらく、金融ビッグバン終了後最初に出版された「金融ビッグバンの総括書」として読んでいただいても結構である。


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