日 時:2006年2006年5月19日(金) 午後6時〜8時
場 所:大阪産業創造館 5階研修室AB
概要
第1報告者 萩野 典宏氏 報告テーマ『ICタグ活用のグローバル動向について』 (サプライチェーン・マネジメント(SCM)との関連において)
【1】ICタグ(無線電子荷札)の基本システム:(第1図)。
無線ICタグ( Wireless IC Tag )は、ICチップとアンテナを一体化した
「非接触型の電子荷札」で、同時に最大100商品分を読み取り識別できる。
接触型バーコードに替えて利用できる。
【2】ICタグ標準化の国際的動向。
[1]日本提案のICタグ商品コード国際規格がISOに採用(2006年4月)。
[2]EPCグローバルにおける標準化と課題:ICタグのデータの処理、識別
が標準化されたが、インターネットで利用するには、ICタグのマスターデータ
ベース間での相互互換性の標準化に課題が残っている。
【3】ICタグの用途と国内需要予測。
[1]無線ICタグの用途には、個別商品用と商品パッケージ用がある。
[2]無線ICタグの国内需要予測:矢野経済研究所、総務省が発表した。
【4】SCM、および、ERPの概要とICタグの活用。
【5】SCMのシステム効率化の要件、顧客満足の要件:(第2図〜第3図)。
SCMのシステムの要件は、ICタグ活用の目的、大量処理、一括処理、
正確処理、コスト削減、処理スピード向上、納期短縮、信頼性向上、
顧客満足向上、成長率向上、利益率向上と合致する。
【6】アジアにおける国際SCM(デル・モデル):(第4図)。
[1]パソコンの国際SCM:デルのクロス・アセンブリー事例、パソコンの本体、
ディスプレー、プリンター等をアジア各国で製造し、先進国で組み立て納品
するシステム。
[2]ラッキー運輸(北海道)は、ICタグを活用したデルの倉庫管理シス
テムを構築して、物流コストを大幅に削減した。
【7】ウォルマート社におけるICタグの活用。
[1]3年前のウォルマート社の「RFIDプロジェクト」:<2003年>。
ウォルマート社は、各店舗での低価格販売のために、2003年6月に主要
サプライヤー100社に、納入ケースにICタグ装着を要求した。
(導入期限は2005年1月1日)
ICタグやリーダー/ライターの標準化問題、コスト問題があり、一部のサプ
ライヤーの抵抗もあり、導入期限を延期した。
[2]最近のウォルマート社の「RFIDプロジェクト」:<2006年>。
ウォルマート社は、2006年内にICタグの導入店舗を1000店に倍増
する計画。
余剰在庫の削減、作業省力化などにつなげる。
【8】中小企業・ベンチャー企業の「ICタグ事業」。
[1]ベンチャー企業の事業分担:(第5図)。
ベンチャー企業は、ICタグの研究開発、部品設計、ソフトウェアー開発、
部分的な製造設備や検査設備の開発、部品の製造・加工・組立て、ICタグ
に 関連する「マーケティング」(広告、営業)、「サービス」(市場調査、
情報交換、 役務提供)などに特化し、事業分担の推進によって、ICタグ
のような先端技術産業における成長を実現することが可能になる。
[2]ベンチャー企業における「ICタグ事業」の事例。
KRDコーポレーションは、ボルトにICタグ装着、締め具合の個別管理を可能にした。
アイニックスは、ICタグとバーコードを併用する物流管理システムを構築した。
日本電波吸収体は、UHF帯RFID対応の電波吸収パネルを開発した。
オークヒル・テクノロジーは、建設現場での作業員のICタグ入退出システムを開発した。
計測技研は、ICタグを活用した高齢者用の危機管理システムを開発した。
第2報告者 藤本周央氏
報告テーマ『無線ICタグ(RFID)について』
〜小さな「ゴマ粒」チップの生み出す可能性〜
【1】「RFIDとは」
誘導電磁界または電波によって非接触で半導体メモリーのデータを
読み出し、書き込む近距離通信を行うものの総称。
ユビキタス社会を実現する上でのキーテクノロジー。
RFIDの内容、バーコードとの比較などについて。
【2】「RFIDの特徴」
RFIDの特徴とベネフィット・ポイント(再利用可能、処理のコスト低減と
時間短縮、作業の効率化)、RFIDの歴史と今後の使われ方、RFIDの
必須要素(ICタグ、リーダー/ライター、ID(識別子)、対象物、属性)など
について。
【3】「RFIDの規格と動向」
RFIDに関する動向:日本政府(e−JAPAN戦略U)、ISO(世界
標準規格の認定)、米国・EPCグローバル(本部、MIT大学・オートID
センター:国際標準の策定、ネットワーク構想)、日本・ユビキタスID
センター(本部、東京大学、坂村教授:基盤技術の確立、ネットワーク
構想)などについて。
【4】「RFIDの特性」
RFIDの種類(電池・バッテリーなしのパッシブ型、および、電池・
バッテリー内蔵のアクティブ型など)、周波数帯域の種類(ミリ波、
マイクロ波、極超短波、超短波など)、(日本は総務省の電波法、
EUはR&TTE指令や各国電波法、米国はFCC)、
RFIDの動作原理・電波方式(電磁結合、電磁誘導、マイクロ波に
関する交信周波数、交信距離、データの書込み、交信速度に
ついての比較)などについて。
【5】「RFIDの今後の課題」
(1)低価格化(ICチップの低価格化、大量生産による加工コスト低減、
歩留まり率の向上。現行価格:ICタグのチップ・インレットの価格、
リーダー/ライターの価格、開発ツールの各社価格)。
(2)標準化(エアーインターフェースの標準化、ISO標準化、商品コード
体系の標準化、ネットワーク技術の確立)。
(3)セキュリティー(情報開示レベル、認証技術)、プライバシー(ICタグ
装着の表示、情報内容の認識、個人情報の取り扱い)などについて。
【6】「RFIDの導入事例」
事業所食堂自動清算システム(清算の正確さとスピード化、カード清算)
回転寿司清算システム(皿枚数と合計の計算、正確な売上伝票発行)
航空手荷物管理(高いICタグの読み取り率、誤配率の減少、履歴管理)
図書館蔵書管理(蔵書管理時間の短縮、図書検索時間の短縮、盗難防止)
レンタルサイクル駐輪場システム(24時間サービス、不法駐輪の防止)
食肉用豚の個体管理(トレーサビリティー・履歴と肥育の管理、作業効率向上)
イベント入退出管理(入場者の混雑防止、チケット不正の防止、運搬車両の管理)
以 上
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